我が家のネコたちの現在の主食はオリジンオリジナルキャットでした。
彼らが生まれてから…というか、拾われてきたので家族になってから、ずっとこのフードで・し・た。
徹底した食材選び
我が家の食事は「本物の」厚生労働大臣よりもきっと非常に厳しい我が家の同大臣によって人間が摂取する食事が管理されています。
それは日本の食に関する実態が非常に危ういということで、
「国に任せてはおけん!彼らの発信にだけ耳を傾けていたら、ことが悪化して、彼らの間違った指導や指針が露呈した後に、謝罪されて終わり」
という「いつも」のパターンに陥るのが目に見えているからです。
正直、そう思っていてもだからといって自分でしっかりと管理できる人はどのくらいいるのでしょうか。彼女はそこいらで情報発信している調理師や栄養士などでもまだまだ甘いと言える人が多いと言ってます。
ぼくも一緒に情報収集して勉強してはいるものの、忘れていることが多いので、どこかしこから何かしら良さそうな食材や食品を見つけたらまずは彼女にお伺いを立てて内容を吟味してもらってます。
敵と思っていたものが実は味方
今では、うちで購入するものには好ましくない添加物が含まれていないことはもちろん、一見して良さそうに思えても、この商品は
「砂糖についての詳しい記述がない」
「この塩もどんな塩か書かれていないから怪しい」
「植物性油を使っていることだけがもったいない」
といったようなスクリーニングをパスしたものが大半です。
そうです、塩、油、砂糖、これらが結構見落としがちなんです。
これらは常識的にはできるだけ摂らない方がいいと考えられていますよね?
しかし本来これらの食材は、人間の基となる素材の中心的原材料であり必要不可欠なだけでなく、良質なものを摂っておればその量はそれほど気にする必要がないものです。
例えば塩は海水や岩塩として他のミネラルと一定の割合で摂取している限り、さほど取り過ぎることはないのですが、精製してミネラルなどを取り除いてしまい真っ白な「食塩」となってしまうと悪者に変化してしまうのです。
もちろん「記述がない」=「怪しい」「危険」ということではないけれど、その視点はとても重視しています。
そして商品自体のPRや原材料名リストから生産者の意図を感じ取り、商品や食材の製造品質を見極めているわけです。
ただ、それを原材料名リストから読み取るには慣れが必要です。かと言ってぼくらもまだ完全に理解しているわけではないので、おそらく本来OKなものも、読み取れないがゆえに弾かれているものもあるでしょうし、その逆も然りだとおもうので、その判定に非常には骨が折れます。
ということでその判定のほとんどは「大臣」に委ねています。
そして食事に関する環境を共有できる生産者を見つけたら、多少値が張っても彼らの活動に敬意を表して購入させていただくということです。
同じ哲学に由来するフードたち
長くなりましたが、その思考がペットフードにも適用されて、それでも無理なことや分からないことは多いけれど、常にアップデートしている自分たちの知識と共有できるフードが冒頭のオリジン製のオリジナルキャット(旧:キャットアンドキトゥン)だったわけです。
しかし、ここ数ヶ月の間の物価高上昇から、ネコたちのエンゲル係数が「コストプッシュ由来」で急上昇しているんですね。(大食いになった訳では無いと言いたい…)
そんな流れもあって、新たに「仕入先」を開拓し始めたところいくつかの商品が見つかって、うちの厚労大臣にもこの物価高から仕入先の変更を打診していくつかの提案をしたところGOが出たのがこの商品なんですね。
健康はお金に変えられないとはいえ、価格が倍ほどにも差があれば考えざるを得ません。アウトレット商品でやっと同じぐらいになるのですから。
これらの商品開発者は概してネコの健康に必要な要素や、彼らの本来の食事とはどのようなものかを考えて開発しているので基本的に「哲学」としては共有している事が多いんですね。
- ネコは肉食
- 穀物は不要ゆえのグレインフリー
- 香料、着色料等の添加物不使用
オリジンも含め基本的にその辺からスタートして、いかに新鮮で安全な肉を使うか、そして穀物を使わずにカサを増すかを研究していると思うんですね。
したがって、これらのキャットフードの原材料は大まかに似ています。
もちろん具体的な原材料は異なりますが、概念的にと言うのでしょうか、それらから浮かび上がってくるものが似ているということです。
脱・恐ろしいミール
安いキャットフードに使われている「肉」は、「○○ミール」といった、病死、交通事故死、安楽死などした動物の肉や骨粉、衛生管理上問題ありそうなものを含む粗悪なものであることが多いのですが、調べれば調べるだけゾットする情報が出てきます。
もちろんそういうものでないものもあるようなのですが、つまりピンキリで、見た目ではわからないのが気持ち悪いんです。
粗悪なフードはそれらを主原料として、さらにトウモロコシや米、小麦といったザ・穀物を使っていることが多く、ものによってはそういった穀物の方が主原料だったりします。
フードによってそのレベルは異なるでしょうが、日本製は海外よりも規制が緩いためペットフードに関してはその点の哲学を持たない国産製品に対するぼくらの信頼はとても低いです。
今日、紹介するフードにはそういった材料は使われていません。
平たく言うと、人間が食べられるクオリティーの肉を使用しているということです。
本日のラインナップ
まずここで基本となるオリジンを見てみましょう。
オリジンオリジナルキャット
原材料の生肉やディハイドレード(乾燥)させた鶏肉や七面鳥、レバーや心臓、卵、イワシやサバ、ニシンが80%で、栄養素的にタンパク質として40%を占めています。そして豆類が続いています。
続いて先程のアランズです。
アランズナチュラルキャットフードチキン&ターキー
このフードは、乾燥チキン35%、ターキー生肉30%、ターキー油脂やグレービーを含めて70%で、栄養素のタンパク質として36%以上と謳われています。続いてジャガイモと豆類です。
穀物って何?
ただ、ここで気になるのは豆類やジャガイモが穀物じゃないのか?ってことではないでしょうか。
どうやら植物分類学上では野菜に入るようですが、分類の仕方や品種によって穀物にもなるようですね。
それでは栄養素としてはどうなんだという話です。
ネコには穀物は不要というか、炭水化物であるでんぷんを分解できないということで、不要と言われているんですよね。
ただ、炊いて糊状になっていれば少しは消化しやすくなるため、多少は大丈夫と言うことらしく、まあ、食材に含まれる栄養素が多様なため、一概にどれが良くてどれがよくないとは言い難く、その辺は非常に細かいことで素人には判断が付きませんが、いずれにせよ、でんぷんを多く含む食材はあまり多くない方がいいようです。
その点、さすがオリジンはタンパク質量が40%で群を抜いています。
とはいえ、タンパク質が多いフードが必ずしもいいかと言うと、そうでもないんですよね。腎臓を患っているネコには高たんぱくのフードは控えた方がいいので、そこは留意しておいた方がいいですね。
それにしても、キャットフードには炭水化物の表示義務がないようで、炭水化物は40%以下のフードがいいとよく言われますが、それを確認する術がぼくにはわかりません。
続いて紹介したいのは…
カナガンキャットフードチキン/カナガンキャットフードサーモン
チキン:乾燥チキン35.5%、チキン生肉25%
サーモン:生サーモン31.5%、乾燥サーモン15%、乾燥ニシン15%、乾燥白身魚14%
いずれもタンパク質量としては34%以上です。
そして、続く原材料の中で共感できたのが、さつまいもの使用ですね。さつまいもも分類の仕方が定まっていない食材のようなので、栄養素を確認することが大切だと思います。
大切なことは、さつまいもの栄養素的には炭水化物が30%そこそこ含まれていて、お米と同じぐらいだということじゃないでしょうか。
それだけに注目すると当然ネコには不要なものとなります。
それ故か、実は我が家の大臣からは認可されていません…。
しかし!
ちょっと昔話…
これはぼくの持論ですが、先代のタイショーが腎臓病を患ってベッドに飛び乗ることもできないくらい激ヤセしたあと、今まで通り階段を駆け上がることもできるぐらい復活して、最後の1年を劇的に、また有意義に生きたときに作っていた手作りフードの原料の1つがさつまいもだったんですね。
当時、腎臓病を患っているネコに必要な栄養とその割合を書き出しました。
気をつけていたのはタンパク質量、リンやマグネシウムが一定量を超えないことや、ビタミンB群(だったかな?筋力関係?)が一定量含むといった感じです。
次に、様々な食材を構成している栄養素をひたすら書き出しました。そしてそれぞれの栄養素が多すぎず少なすぎずとなるようパズルのように組み合わせ、最適となる食材を探し出した結果、さつまいもがかなりいい栄養素を構成していたんですね。
獣医さんに勧められた市販の腎臓ケアのウェットフードを基盤に、ささみまたは豚肉、さつまいも、にんじん、と乾燥エビで、それらを一定の割合で混ぜ合わせ作っていました。
因みに、ウェットのフードには水分が含まれているため、ドライフードと比較する際はパーセントやグラムの換算をするなど面倒なことがあります。
さつまいもは蒸かして、茶こしのような金属メッシュに押し当ててマッシュドポテト状にして与えていました。
このフードは腎臓疾患予備軍に適している?
そういう事もあって、炭水化物としてのさつまいもは必要ないと思うのですが、その他の栄養素のバランスを考えて、このフードも採用したんだろうなと想像するんです。
なので、ちゃんと精査した訳ではないし、したとしても数少ない経験からの感想なのですが、もしかしたら腎臓疾患を気にしているようだったらいいかもしれません。
もしも、今うちにいるタローやハナコにそんな兆候が見られたら、このフードをベースにベストなフードの模索を始めるかもしれないという程度ですが。
ぴったりのフード探しは大変
今のところ、ぼくらにとって、健康なタローとハナコにとってはオリジンが最適だと思っています。
もしも値段がここまで上がらなければ、もしももっと金銭的に余裕があれば、変えなかったと思います。
今回、それがきっかけで代替品を探し、これらのフードを紹介させていただきましたが、フードはネコそれぞれの健康状態や体質によって向き不向きがあるんだと思うんですね。
タイショーはぼくらが世話を始めた初代のネコで、当時のぼくらにはフードの知識は全くなく、パッケージの文言に踊らされて買っていましたが、それはそれはよろしくないフードでした。
雄ネコは結石ができやすいという知識だけはなぜか持ち合わせていたため、フード選びの焦点はそこしかありませんでした。
タイショーは2度膀胱結石(シュウ酸カルシウムの結石)で手術をしたのですが、初回の術後、再度結石ができないよう、獣医さんと相談してフードを与え、管理を徹底していたのに再発してしまった事実もあり、当時の獣医さんも「このフードで結石が再発するとは信じられない」と仰っていました。
2度目の術後には腎臓も弱っていたので、ケア対象が増えホントに難しかったです。
オリジンが「良い」フードであることは確かとはいえ、腎臓を患い始めてしまったら、高タンパクフードなので、もうそれは適さなくなるんです。
タラレバになりますが、もしかしたら最初からオリジンのようなフードにしていたら違った経緯を辿っていたかもしれません。
それだから、まだ元気なタローやハナコにはオリジンをあげたいけれど、そうとも言ってられないのが何とも心苦しいんです。
こんなときは「椀子そば」手法を試してみて!
因みに、よくフード選びで出てくる要因として、「食いつき」がありますが、うちで世話してきたネコたちは好き嫌いはなかったですね。
だから、普通はフードを変えるときは徐々に変えていくよう勧められるのですが、今回のフードに変えたときも一気に変えましたが何の問題もなくすんなり食べ始めてくれました。
きっと個体によるんでしょうね。
唯一、タイショーが腎臓を傷めてどん底の時、どんなフードも食べなくなったことがありました。
一口だけペロっと食べてはクンクンして2口目を食べないのです。
その時は
「何でもいいから食べてくれ…」
という思いから、泣く泣くおやつの力を借りたことがありました。
それでも食べてくれない…。
これについても、自分なりにいろいろ考えましたよ。
もしかしたら一口目に自分の唾液が付いて、その臭いがクサイと感じているのかも、と思って、「椀子そば」手法で一口分ずつお椀に給餌したら食べてくれたということもありました。
おそらく味覚がおかしくなっていたんじゃないかと思うんですね。
思考停止ではバランスは取れない
何でもバランスが大切で、バランスを取るということは
「これをしておけば大丈夫(バランスが取れる)なのね?」
といった何かに頼り切って思考を停止するような対処ではダメですね。
常にモニタリングしては、分からないなりにも仮説を立てて対処し、獣医さんと一緒にその結果を検証し判断するという一種のPDCAサイクルの繰り返しが大切です。
ここに挙げたフードは、そういうふうにバランス取りの基礎づくりにちょうどいいフードじゃないかなと思います。
念のために書いておきますが、いろいろ考えながらも偉そうに言ってますが、ぼくは獣医でも栄養士でもない素人ですので、その点はお忘れなきようお願いしますね!