雑食思想の溜め池

生活していれば自然と湧き出て来る思いの数々。ここは、ぼくの中でゲシュタルト形成や拡張へ向けて流れ着いた、様々な興味の源泉からの思想が集う場所である・・・。と意気込んで始めたものの、だんだんとその色が薄くなってきました。

タイショーと入れ替わるかのように我が家に来た「炊飯器」は・・・実は!

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それは3年前の今頃のこと。

我が家の寝室に新しい炊飯器が来ました。

その炊飯器は、とてもかわいかったために、

つい拾ってしまったものということもあってか、

しばらく後、不具合が生じていることに気が付きました。

 

ある日の朝方、特に予約タイマーをしているわけでもないのに

少し振動させながらグツグツと鳴り始め、

ぼくらの睡眠を微妙な加減で邪魔していました。

困ったことにその不具合は、朝方に特定されているわけではなく、

不定期にお米をセットしてるわけでもないのにグツつくため、

正常ではないことは明白でした。

ある週末、専門家に見てもらいに行きましたが、

どうも原因が特定できないようで、なす術もなく、

もうしばらく様子を見ることになりました。

 

しばらくそのグツつき具合を観察しながら見守る中、

少しマシになってきて、ホッと忘れたころにいきなり、

咳き込んだように

「ゴボゴボ!ボコボコ!シュッシュッシュ!」

と音を立てて苦しそうにするときがありました。

 

何か話が怪しくなってきましたよね。

そうなんです。この「炊飯器」、実は猫なんです。

その炊飯器型ネコ、もしくはネコ型炊飯器?

いや、少なくとも後者ではないでしょう。

いずれにせよ単に調子の優れないこのネコは、

このブログにも何度か登場しているタロウです。

 

3年前になくなったタイショーと入れ替わるかのように

我が家にやってきたタロウとハナコ

中でもそのうちのタロウはうちに来た時から元気ではありましたが

目ヤニと鼻水がひどく、鼻水が鼻呼吸を邪魔しているのは

素人目にも間違いありませんでした。

もちろん当初から獣医さんに連れて行って

薬を処方してもらっていたのですが、まだ生まれたてで、

獣医さん曰く、おそらく生後一ヶ月ってとこで

(別の獣医さんによると2週間)

薬をあれこれ与えない方がいいだろうということで

様子見が続いていたのです。

うちに来たのが10月上旬。

まだ鼻が苦しそうだし、ヨチヨチ歩きしかできなかったですが、

元気ではあったので出来るだけ自由にしてやりたいというのと、

踏んづけたら大変ということで100均で買ってきた金網で、

1.5m四方ほどのケージを即席で作り、

2階の寝室の真ん中にドンと置いて

寝ている時はケージの中に入れていました。

体長はまだまだ相当小さいので、

いくらお手製の粗末なケージとはいえ、

自らこじ開けて、引き戸を開けて、階段を下りて

脱出を図るということはできないだろうと

希望的に想定をしていました。

でもタイショーが子猫の頃も色々な理由で一時的に

どこかに閉じ込めようとしても、

ことごとくプリズンブレイクしてきたので、

子猫だからと侮ってはいけないとは思っていました。

そんなこんなで、突然ボコつく子猫との同居が始まったのです。

 

ある日、ぼくが夕刻に外出から戻ると、

家の者は外出中。

玄関から宅内に入ると、誰もいない真っ暗な一階から、

あのボコボコが聞こえてくるではありませんか。

ウワッ、やっぱり!野生の力恐るべし。

早速Fugitiveか!

脱走を図ったにしても、一応元気ではあったし、

元気なことが何よりなんで特に悪い気はしませんでした。

それどころか、嬉しさの方が大きくなり

「さー、どこにいるんじゃぁ~、

このか~わいこちゃんめぇ~」

と、ルパンが手を前に伸ばして

「ウぅーフフフ~」とばかりに不二子ちゃんを探すかのように、

暗い部屋の中を手探りで、踏んづけないようにそーっと

その音の聞こえる方へ近づいていったのでした。

耳を澄まし、音の方向を確認しながら一歩ずつ前進。

そして、部屋の隅っこのカウンターの上についに

音源をロックオンし、両手を伸ばしてそっと挟みます。

「そーら、捕まえたぞ~ん。

ま~ったくも~おチビのくせに~、

もう2階から降りてくるなんて大したもんだ。

知らないうちにこんなに大きくなって・・・

身体も筋肉カチカチ・・・

それにすごい熱じゃないか~?!」

それは、まるで本物の炊飯器のようでした。

電気をつけると、

そこには本物の炊飯器があるではありませんか。

いつの間にか、炊飯器になっていたのです。

炊飯器になったネコ。

いいえ、それはもともと炊飯器だったのです。

 

いや〜、失礼しました。

ただ単に予約炊きをしている正常な炊飯器でした。

 

まあ、こんなコントのような話は

もちろん途中からはフィクションなのですが、

帰宅して、このボコボコ音を聞いてヒヤッとした後、

5秒間ぐらいは騙されたのは本当です。

この時初めて、そのボコボコ音が炊飯器に

そっくりだということに気がついたのでした。

 

もう3歳かー。

正式な誕生日がわからないだけに、

先月は誕生月として、家の中のところどころに

ちびっこかった彼らの写真や、そっくりな猫が表紙の絵本などを

飾り祝福していたのでした。

元気に育てよ!

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