雑食思想の溜め池

生活していれば自然と湧き出て来る思いの数々。ここは、ぼくの中でゲシュタルト形成や拡張へ向けて流れ着いた、様々な興味の源泉からの思想が集う場所である・・・。と意気込んで始めたものの、だんだんとその色が薄くなってきました。

舞台:神津恭介シリーズ「呪縛の家」の○○で大阪人を怒らせた?!

この舞台は既に千秋楽を迎えた後ですし、このブログの無影響力性を考えれば問題ないかなと判断しアップしています。

別にこの舞台の内容をディスっているわけではないのですが、別の部分でちょっとチクリと言いたいなと思って書いてもいいかなあーと思って書いてしまいました。

ということで、この舞台の概要は触れてはいるものの、内容に関しては一切触れていませんのでそのつもりでお読みください。

 

とある伝手から神津恭介シリーズ、「呪縛の家」の舞台を見に行くことになりました。 

名探偵、神津恭介?

まったく聞いたことも目にしたこともない名探偵だったので、最初にこの舞台に招待してもらえる聞いたときは、コンテンポラリーのミステリーものかと思っていました。

正直言って、恥ずかしながら神津恭介というのが、明智小五郎金田一耕助と並ぶ日本の3大名探偵の一人であることすら知らなかったからです。

今回の舞台、「呪縛の家」は高木彬光が生みの親である神津恭介の長編シリーズもの第二作で、世界の名作ミステリーを舞台化し上演していく長期プロジェクトの「ノサカラボ」という団体が舞台化したもの。

神津恭介役にジャニーズJr.の林一敬さんや、同じくジャニーズJr.の手島麗央さん、元光GENJI内海光司さんが主要キャストで出演するということでチケットが取りにくいだろうということでしたが、ミステリー好きの我々のために取って頂けるということで招待いただいたのでした。

この舞台は8月下旬から東京の9日間(11回)で始まり、福岡で2日(3回)公演、大阪で4日間(5回)公演というスケジュールでした。

 

 

そして、無事今日の第一回目の公演が終わり、恒例のカーテンコールがあり、そこで一人の女性キャストが挨拶をしたのです。

言葉は一言一句覚えているわけではないのですが、「今回は、大阪や福岡でも公演が決まって、東京公演に来れないそういった地方のお客様にも、見に来ていただけるようになってよかったです。」と言った趣旨のことをおっしゃったんですね。

ぼくはもともと東京出身ではありますが、まあ大阪に来て長いからなのかな?

ちょっと違和感というか「そりゃないだろ?」感を覚えました。

「え?あなたたちは、マイケルジャクソンやビートルズ並みの方たちですか」

神津恭介を知らないのはぼくの無知のせいかも知れませんが、ジャニーズの方たちをぼくは全く知らなかったし、「ノサカラボ」自体、このブログを書くにあたって調べるまで知りませんでした。

ちょっとディスる様な書き方で申し訳ありませんが、「世界を回っているので、小さい日本では首都ぐらいしか本来回れないところ、何とかその他2都市でも公演ができました」って言ってるようなその口調がどうも引っ掛かりました。

もちろん悪気はないと思うし、もしかしたら本音では「もっと小さな市町村(地方)の人たちでも、大阪や福岡まで出てこれるようなら観てもらえるのでよかった」というようなことかと思うので、それほど腹は立ちませんが、忖度しないとそういう理解にならない発言は避けたほうがいいですね。

そういうことに敏感な大阪人だったら、特に東京に競争心を抱いているような大阪人だったら、大阪を「地方」呼ばわりされ、決して気持ちよく感じなかったのではないでしょうか。

もちろん福岡の方もですけど。

 

この公演が終わって、歩きながら一緒に行った生粋の大阪人であるカミさんに、

「最後のカーテンコールのあの女の子の挨拶、ちょっと…」

と言ったところで、

「大阪を地方って言ってたやつやろ?」

と、食い気味に話しに乗ってきたんですね。

やっぱりまあもう大人やし腹は立たないとはいえ、気になる一言であったことは間違いなかったようですね。

その発言の直後、もう一人の男性キャストが、その違和感を感じてフォローしようとしたかどうかはわかりませんが、「私は、大阪出身なのでここでは大阪弁で話そうと思います」と言って挨拶をしたのですが、挨拶を聴き終わると一切大阪弁が出て来ず、これもまた、フォローになってないんじゃね?という気持ちが沸いてきました。

それを受けて、また別のキャストの方が「全然、大阪弁じゃないじゃん」と言ったことを言って最終的なボケに対するツッコミを入れた感じで終わりましたが、何かこれってどうなん?という感じがしましたね。

それから、ぼくら二人で

「大阪人や福岡の人でない人でもその不適切さは感じるんじゃないかなあ。もしかしたら今日はどっかのSNSで炎上するかもね」

と、推理の話以上にそんな話で盛り上がってしまいました。

クリアストロングショット5か月目に突入

何か代わり映えのないドキュメンタリーですね。

ドキュメンタリーというほどのものではないことは分かってますが。

 

で、5か月目の状態はこのようになっています。

ん…。

改善されているのでしょうか。

気にしている右側の溝に関しては、大きな進歩は見えませんね。

 

それよりも、白い大きな斑点は確かにありませんが、何か全体的にキタナイような…。

艶がないというか…。

こんなんだったかな…。

そうだ、左足と比べてみればいいじゃん。

ということで、今回は左足の親指を大公開。

おお、キレイですね。

やっぱり。

全体的に、足のモデルにはなれないでしょうが、まあ、健康的には見えませんか。

こうして比べると、右の親指はちょっと侵されてるような感じに見えますね?

これが、途中でやめたらアカン!

という理由なんでしょうか。

毎朝、と夜シャワーを出てからの2回に欠かさず塗ってます。

これからの改善を期待したいですね!

クリアストロングショット4か月目に突入

はい。

この「ドキュメンタリー」も4か月目に入りました。

数日前の様子はこんな感じです。


特に大きな変化はなく、順調に爪が伸びていってます。

左上の深爪しているところがもうそろそろ回復する感じですね。

写真ではわかりにくいですが、右の縦に線が入った「深淵」部分の伸びがなぜか遅い気がするんですよね。

爪って場所によって伸び方がちがうのでしょうか。

左はグングン伸びてる感じがするんですが、右はそんな気がしない…

でも、白い斑点は出てきてないし、良いとしますかね。

ということで、現状報告でした。

クリアストロングショット3か月目に突入

さて、ぼくの親指の爪対策ドキュメンタリーの続きです。

写真は今月の始め頃の様子です。

 

どうですかね。

左上の方は、何か深爪している感じですよね。

たぶんしていると思います。

でも、何層にもなっている爪の、肉に一番近い層が薄皮みたいに張り付いているようで、実際痛くはありません。

今気になっているのはそっちではなく、赤丸の付けられた右の端です。

先月からこの部分に注目していますが、クリアストロングショットを使う前は、白い斑点ができていたところの極右部分です。

アップではきれいに撮れなかったので、説明しづらいですが、前から書いているように、木の樹皮のように、縦に立体的な線が入っているんですね。

爪を乾燥させて縮ませて、結果的に皴になっているような印象です。

そして、そこを少しいじっていると、どうも浮き上がっているようだったので、この数日後に切り取ってしまいました。

まったく、そのまま置いておくことができない性格なんですねー。

その様子がこれです。

なので、今はこの状態に近いです。

大夫きれいになってきましたよね~。

ただですね。

右の赤丸部分がちょっと膨らんでいて、押すと少し鈍痛がするんです。

それが気がかりです。

ニック式英会話(3)ウェゴナ、プラリって横着しすぎじゃありません?

この英語聞き取れるかな

前回に引き続き、さらに今気に入って全て見てしまったのが、

「この英語聞き取れるかな」

シリーズです。

前にも書きましたが、ネイティブの英語は自分が会話の当事者でその場面にいるならば、訊き返すなりで会話が進められるし、状況把握は可能なので会話ができますが、映画やドラマはどんどん勝手に進んで行ってしまいます。

大筋は分かっても、「最後、何でああなったんだろう」とか、ちょっとしたことが聞き取れなかったところからどんどん傷口が開いていってしまい、わからなくなってしまうこともありませんか。

ニックさんはその聴き取りの訓練動画も挙げてくれているんですね。

7つのポイントと映画からのワンシーン

そして、ぼくが好きなところは、そのプレゼンの仕方です。

まずは大枠を見せてくれて、そこから一つ一つに切り込んで行って、最後に横展開するところ。

英語聞き取りバイブル!英語が聞き取れる7つのポイントを映画で確認! - YouTube

一つひとつの説明では、実際にそのポイントとなる発音をご自身でされたり、映画やドラマのシーンをたくさん見せてくれていたり、インタビュー動画から抜き出してくれており、いろいろな人のしゃべり方をカバーし、それでも共通項があることをしっかり見せてくれています。

さらにその動画をスロー再生させてくれて、「実際に言っているけど、聞こえない」のか「実際に言ってない」かを検証してくれているところも好きです。

つまり自分の耳が聞き取れてないのか、やっぱり言ってないのかを知ると、実際に自分が速くしゃべったとき発音してなくてもよく、むしろ自然なんだと思えるようになったことです。

ニックさんはネイティブ英語の聞き取りのコツとして7つのポイントを挙げているのですが、それらの一つ一つは正直言ってぼくは知っていたり、感じ取っていたものがほとんどでした。

ですので、他の先生がそれらを紹介している動画などをかじり見したことありますが、枝葉を紹介しているだけで「ああ、それね」で終わっていたんです。

ニックさんの動画では、まず目次のような大枠を見せてくれました。

そのとき、ぼくは1つのポイントをチョイ見しましたが、それがゆえに全部を見てみたい気持ちになりました。

洞窟の深がまた続いていることを知ってしまったかのように、さらに深入りし、その先に自分の欠点の要所を知ったように感じました。

ぼくはギターでの弾き語りをやっていたとき、Air Supplyのようにはっきりとした発音の歌だけでなく、Billy Joelのちょっとだらしない脱力したような歌や早口の歌も好きでよくマネして歌ってました。

歌は音符に言葉を載せた符割りが大切なので、リズムよく正しく言えるようにならないとどうしても嘘っぽく聞こえちゃうんですよね。

だから、とにかく音をまねるということをしていたら、ニックさんのいう「寸止め」とか「連結」や「脱落」という現象は自然に自分にも起こり、おそらくそれゆえ聴き取りも、それらの点については比較的強くなったのだと思いました。

しかしですよ。

やっぱり聴き取れないことが多いんですよね。

その元凶についてちょっとお話します。

ぼくの好きなTVドラマLostから!

まずはこれ聴いてみてください。

シリーズの最初の方はご自身で発音したもので説明されていましたが、この回からドラマや映画のシーンも使っています。

youtu.be

where=we’re=wear 

上の見出しの等式は成り立つと思いますか?

両端のwhere=wearはいいとして、we'reって同じですか?

同じらしいです。

恥ずかしながら、これは知らなかったです。

これらのフレーズの曲者はwe'reで、ぼくはこれは「ウィアー」だと思ってました。

ところが、これらの単語を高速で言うとすべて「ウェ」となるんだそうです。

便宜上カタカナで書いてますが、つまり一音節です。

これに関して、ぼくは、I am(アイアム)がI'm(アイム)になったり、It is(イットイズ)がIt's(イッツ)になるのとは違って、We are(ウィアー)はWe’reとなっても結局(ウィアー)となって、発音は同じで、表記上の省略でしかないと思っていたんです。

速く言うにしても、「アー」は発音されるから2音節(?)で発音していたんです。

ところが、「ウェ」ですよ。

そんな認識したことはないんでビックリでした。

実生活でもWe’reは絶対に使っているわけだし、ネイティブが言っているのも聞いているはずなんですがねえ…

実生活の英語では、もちろん"We're"とだけ聞くことはまずなく、続きがあるもっと長い文章の一部として聞いているから、その部分だけはっきり認識していなくても意思疎通にそれほど影響はなかったということが言い訳になりますが、そういうことだから気が付かなかったんだと思っています?

では、もっとWe'reを聞いてみましょう。

英語 リスニング 英語 発音:この英語、聞き取れますか?#25(Glee)"2唐辛子編" - YouTube

では歌っていた時はどう対処していたのか…

We'reが速く発音されるところは結構いい加減にサッと通り過ぎることが多いとおもうんですよね。

そしてBecauseが、”Be”を口の動きだけで言ってるつもりのようになって、実際には'Cause(カーズ)と発音することがあるように、We'reの”'re”の部分を発音しなかったんじゃないかと思うんですね。

ということはWeだけを発音していたことになるんで、「ウィ」とだけ発音していたと思うんです。だからもしかしたら不自然に聞こえたかもしれません。

まさかの現象

ところが、"We're"が「ウェ」だと知った後、不思議なことが起きました。

そうと知ったらダラケているような喋り方だけど、そう発音するようにしてみましょうかー

と自分に言い聞かせて、とにかく言ってみようと思いました。

しかし!?

ウィ…?

ウィェ…?

何で?

言えない…。

これは不思議でした。

もちろん「ウェ」だけなら言えますよ。

でも、その後にWe're gonna...とある程度のスピード感を持って続けようとするときはどうしても「ウィア」となってしまう。

音符に載せるとすると、どうしても1.5拍になってしまう(裏拍がある)感覚です。

"Where we’re going to..."となったら「ウェウェ…」と同じ音を二回繰り返すだけなのに、どうしても違うように発音しようとしてしまうんです。

もちろんゆっくり言うなら言えますが、それでは意図が違います。

普段耳で聞こえたものはスペルに気を取られることなく発音できて来たのに、なぜかこのフレーズはもう口が動かない。

日本人で英語の発音が苦手な人は、どうしてもカタカナ読みになってしまうことが多いところ、自分にはない症状だったのですが、それが今回初めて発症したんです。

頭では分かっているけど、実際はまだWe'reが「ウェ」であると信じ切れてない(そう聞こえていない)から、口が動かない。

たぶんそういうことだと思います。

1つにはもう何十年もいい慣れたフレーズというのと、今までスピードの差はあるにせよWeとareの2音節で発音していたものを一音節で言わなければいけないという違いゆえに、それだけで完全に拘束されているのです。

これはほんとに不思議な感覚です。

there=they're=their

この等式も正しいようで、"thエ"と言うそうです。

高速で言うと、もう「アー」の部分はどっかへ行ってしまうようです。

聞こえないのではなく、実際に言っていないとのことです。

それでこれらの聞き取りを難しくしているのが、これらは文の最初の方に来ますよね。

文章は先頭にあまり大切な情報が含まれていない場合、早口でフェイドインするように発音されるんですよ。

だから聞こえない文章の聴き取りをするとき、ぼくは拍数とかで、あと何音言えるはず…とか考えて、そこから単語を割り出そうとしてたんですが、上手くいかなかったのはそういうことだったのかもしれません。

プラリ⇒プラブリ⇒プラバブリ…なるほど

最後にProbablyがプラリまで省略されるって知ってました?

ぼくは初耳でした。

youtu.be

おそらくプラブリまでならおそらく想像で理解できるでしょうが、そんな発音してる人がいたら、何て舌っ足らずな人なんだと思ってしまうでしょうね。

この映画の話者のように、憔悴したような人じゃないとこんなふうにしゃべらないんじゃないかと思うけど、この喋りがOKシーンなわけで、ネイティブには分かるんですよね。

ネイティブじゃなければプラリはさすがに同じ単語だとは認識できないでしょう。

おそらく今まで聞いてたのかもしれないけど完璧に、スルーしていたとしか思えません。

因みにこのシリーズは70本近くあって、すべて見ましたが、プラリ以外の部分を含めこの動画がぼくには一番難しかったです。

一通り全部視聴したとはいえ、再度聴いてもわからないところがあるんで、これはまた繰り返し視聴して練習したいですね。

We'reやthere'reのサウンドは独特性も小さいから、慣れるのに相当時間がかかりそうな気がしてます。

まとめ

そんなわけで、ショックの連発だったこれらの動画ですが、これだけの映画からこれだけ抜き出して編集して相当な手間だったと思いますし、これからも作成してくれるならさらなる労力に感謝しかないです。

やっぱり、「こういう言い方をするんだ」と講師の人がネイティブで見本を見せてくれるだけなのと、OK(テイク)が出ているいろいろな人のしゃべりを見せてもらえるのでは説得力が全然違いますよね。

これからも楽しみにしています。

ニック式英会話(2)可能性の有無:これ何の判断基準かわかる?

前回の記事で予告していたニックさんの「新たな風」

過去形VS現在完了形

まずはこのトピック。

ぼくの場合、「時制」や「冠詞」について解説しているものが目に入ると、つい見てしまうんですよね。

そこで先日、つい目に留まった動画が、

ネイティブ感覚で完了形を一撃でマスター! - YouTube

という動画で、「現在完了形と過去形の使い分け」について、説明されているものでした。

完了形の分かりにくさは英語学習においてよく取り上げられるテーマで、もちろん分かりにくさを解消するための説明は教科書や参考書、文法書などでもされていますが、その教材の中の例文では理解できたり、大まかには「そういうことだ」ということを理解できても、実際に日常生活で自然に運用する上で「どっちだろう?」とか、「どうやって表現したらいいんだろう?」と悩むことがちょくちょくあります。

特に「経験」を表す完了形なんですが、みなさんは大丈夫ですか?

現在完了形の4つの用法以外の着眼点

そして、多くの教材がだいたい現在と過去と未来を一直線上に並べて、時間の流れの中で「ここを表現する」という「一辺倒」で「当たり障りのない」解説にちょっとしたフレーバーを加えた表現で済まされていることが多いんですよね。

そんな中、いつものようにあまり期待せず(といいつついつも期待してはいる)見ていたら今まで聞いたことがない観点で使い分けていることを解説していたんです。

それにははじめ疑念を沸かされつつも「一理ある」と考えさせられた後、大いなる風穴を開け、ぼくのEnglish Worldで一部覆っていた黒雲を吹き飛ばし、景色が一変したんですね。

現在完了形って、学校では3つとか4つあるよって習いませんでしたか?

  • 完了用法
  • 継続用法
  • 経験用法
  • 結果用法

だいたいこの4つだと思います。

当然、大概の動画やサイトの説明がそれについて語られ、そこまでなんです。

可能性の有無

しかし、ニックさんは「可能性の有無」または、「可能性の継続」という視点について説明されていたんですね。

彼は、これ1つのコンセプトで説明できると言っています。動作のや状況の継続もそこに含まれるというのです。

「可能性が継続しているか」を考えて時制を使い分けるということでした。

よく、yesterdayとかlast yearとか、時の副詞句が入っているときは完了形は使えないと習いましたよね?

これを「可能性」という視点でみると、過去の動作をもう一度繰り返そうと思っても昨日や去年はもうやってこないということになります。

だから「過去をもう一度やれる可能性はこれから来ない=可能性は継続していない」から、現在完了形では表現できない。

ということのようです。

言い方を変えると、「継続の可能性がないものを現在完了形で表現すると不自然に聞こえる」とも言えるのでしょう。

刷り込み感覚を最新知識で抑えつけろ!

動画では可能性の有る無しの判断として、

「世界貿易ビルに行ったことがある」

という例文を使っています。

普通の日本人(今までのぼく)だったら、時を特定する副詞は使ってないし、「行ったことがある」という経験っぽい日本語に引きずられて、完了形を使ってしまうと思うのです。

しかし正解は過去形で、その理由は、世界貿易ビルはもう存在しておらず、行くことができない、言い換えると行く可能性がないからということです。

中学校英語の刷り込みで、こういうところに過去形を使うのって、気持ち悪い感覚がありません?

ネイティブじゃないクセにいっちょ前にそういう「感覚」が寄生してしまっているんです。

おそらくこの感覚を持っている日本人は多いと思いますがいかがですか?

ということは、例えば、

ビートルズのコンサートに行ったことがある」

とか言う場合も、ビートルズは解散してるし、メンバーも亡くなっている人が多くコンサートがある可能性がないと判断して、過去形で表現するのが正しいということになるんだと思います。

今の間違った「経験」の感覚が拭えるようになるのには少し時間が必要かも…。

タイミングによる可能性を考える

次にもうちょっと短い時間軸で見てみます。

発言のタイミングが肝となることがあるようです。

「ランチを食べた?」は

"Did you have lunch?"

のように過去形でも

"Have you had lunch?"

と、現在完了形でも間違いではないのですが、「いつ訊いているか」により、適切か不適切かが決まります。

現在完了形で訊ける(適切)のは、まだランチと呼べるものを食べる可能性が残っている時間帯(午後1時頃の時間帯)までということで、午後5時頃など、もう夕飯の時間帯に現在完了形で訊くのは不自然(不適切)ということらしいです。

だから、メキシコ人とか午後2時ごろから午後4時頃まで昼休みをとる習慣のある人たちが話しているというシチュエーションなら、現在完了形が使える時間帯が変わるということだと思います。

とても文脈依存型の用法ということですね。

お~~!そういうことか!スゴイ納得しませんか。

じゃあ、今後可能性のないことを以前にしたことがあるという経験はどう訊く?

そこで、気になったのが、前出のWTCビートルズのコンサートのように、今後行きたくても、もう行けないところに過去行った経験はあるかという質問はどうするのか…

つまり、

WTCに行ったことはありますか?」

ビートルズのコンサートへ行ったことありますか?」

と質問したい時です。

今までのぼくなら絶対現在完了形を使ってしまいますね。

でも、この動画のコメントに同じことを感じた人の質問があって、WTCのケースを引用してニックさんが答えているんですね。

それによると、現在完了形で訊くと、やっぱりWTCはまだ存在するように聞こえるそうです。

なので、ここでも

"Did you go to the WTC?"

とか

"Did you ever go to the WTC?"

となるそうです!

ぼくは、これだと、単純に「WTCに行きましたか?」という過去の文章と同じになるので、例の「変」な感覚を覚えるんですよね。

でも、よく考えると「WTCに行きましたか?」って実際の会話でどういう流れで使いますかね?

なんかぶっきらぼうで唐突過ぎて、和文英訳テストでしか読まない日本語のように思いますよね。

実際の会話では、「いつ」という縛り(条件)がないと不自然じゃないでしょうか。

きっと副詞節を入れると思うんですね。例えば…

「まだWTCがあったときに、行きましたか」

という具合にです。

そう考えると、英語の過去形で

何の脈絡もなく"Did you go to the WTC?"とだけ訊かれたとき、まず

WTCに行きましたか」

WTCに行ったことはありますか」

という日本語訳(解釈)の候補が上がったうえでどちらにしよう?と考える。

前者は「いつ」という縛りがないので何か足りない感が残り不自然だ。

その点、後者の「行ったことあるか」という日本語は条件節なしでも自然なので、後者で理解しないと不自然になる、というしくみだと思います。

因みに「まだWTCがあったときに、行ったことありますか」と、いかにも「完了形の経験」っぽい日本語も成り立つと思いますが、これも英語では過去形となると考えてよいのでしょう。

考えてみると、日本語の「(時間や時点を特定しない過去に)行きました」という概念が、「行ったことある」という表現だと言えそうです。

エンパイヤ―ステートビルだったら?

試しに「エンパイヤ―ステートビルに行ったことありますか」で考えてみると、まだそのビルは存在するので、「まだエンパイヤ―ステートビルがあったときに」という「時の副詞節」は事実に反するため付けることはないですよね。なので、

"Have you been to the Empire State Building?"

と現在完了形で言うことができ、「実際にまだ存在するESビルに行ったことがあるか」という解釈になると考えられるんじゃないでしょうか。

もしも、

"Did you ever go to the Empire State Building?"

と訊かれたとき、「いったことありますか」という経験を表す意味に理解するには、「まだそのビルは存在するしなあ」という矛盾した思いがよぎるのでしょう。

だからといって、「前回NYへ行ったとき」などの「いつ」という副詞節なしに単純な過去形で理解することも不自然。

つまりどう解釈しても不自然な不適格な文章ということになると考えられるのではないでしょうか。

ただ、現在完了形で言うべきところを過去形で言ってもよい、ということを最後におっしゃっているので、この辺はその人の言語運用のクセや、両者の共通認識具合やシチュエイションにも寄って噛み合わないと感じることがあるのかもしれません。

過去形に「経験」用法を入れる?いや、入ってるぞ

だから、そうなると、ルール的に考えても、日本語では「行ったことありますか」と経験っぽく訊いている(現在完了形を使いたくなる)けど、英語では過去形を使ってよく、それがネイティブには自然に聞こえるのだから、辻褄は合いますよね?

ちょっと慣れるのに時間がかかるかもしれませんが、そうとわかれば自信を持ってそのように使い続ければいいだけですよね。

「したことがある(経験)」という概念が「過去」のことであることは容易に納得できると思います。その「表現」を「現在完了形」の専売特許のように習ってしまったために、英語にしたときには現在完了形で書かなくてはいけないと惑わされているのではないでしょうか。

これらを鑑みると、「過去形」にも日本語の「~した」という表現だけでなく、「(経験)したことがある」という日本語の「表現」も、概念と一緒に「過去形用法」としてあり得ると認識してしまえばいいのではないでしょうか。

英語で時の副詞が付いていない過去形も「(経験)したことがある」と訳せるとしたらすべてうまくいくように思いました。

…と思って、参考書を手あたり次第調べてみました。

マークさんも解説してますね

「実践ロイヤル英文法」には過去形のセクションに「現在完了の代用」という用法が記載されていました。

"ever, neverを伴って、過去から現在までの経験を表すこともある。"

言われてみると何となくこの「~代用」という用法を見たような記憶がありました。

しかし、当時は当然「代用って何?」ってイマイチピンとこなかったという気も薄っすらしてきました。

そして現在完了形のセクションに、過去形で過去の経験を聞くことができるが、

「彼女に会ったことがありますか」という日本語を「過去形」で

"Did you ever meet her?"

と質問すると、

”彼女が亡くなったか、とにかく彼女に会う機会はなくなっている、という前提があるかのような印象を与えかねない”

と解説されていました。

亡くなっているなら会える可能性がないということ…。

「与えかねない」とか不都合っぽく書かれていますが、とにかくそういう印象を与えたければ過去形を使えばいいということですよね。

お~~!正しくこれじゃん!

もう一つロイヤル英文法(「実践…」ではない)でもこの用法を説明していました。

"Have you visited Gauguin exhibition?"

VS

"Did you visit Gauguin exhibition?"

で、前者はまだ展覧会が開かれているという含みがあるが、後者は終わっている"ということをはっきり示すことになるという説明もある"。

とのこと。

最後の「...という説明もある」と言っているところから、ネイティブの中でも感じ方という点で、意見が少し割れるのかもしれませんが、まあ何のことを言っているか今では少し理解が深まりました。

その他にもいくつかの参考書を参照しましたが、この点について言及していても理由やイメージまでを説明しているものは見つかりませんでしたね。

アメリカ英語の口語では、そのように使うこともある」と書かれているものもありましたが、正しいんですかね?ニックさんはオーストラリア人ですが、そういう感覚をお持ちのようですからね。

この大して大きく取り上げられていないことこそ、大切なのに明確に簡単に説明できないことで、結構日本人を悩ませてきていることなんじゃないでしょうか。

そして、この二つの参考書にはいずれもマークピーターセンさんが関わっていました。

何十年も昔、学校の先生に勧められて「日本人の英語」という本を読んで感激したことがあります。

マークさんも「感覚」を言語化するのが上手な学者さんなんでしょうね。

何か上から目線のような書き方で申し訳ないですが、そういう資質を持った学者さんは大切ですよね。

まとめ

ということで、少なくともしばらくはこの思考で行き詰るまでは慣れるよう努めて、刷り込みから脱却して行こうかと思います。

ニックさんの動画ではそこまで言ってませんが、そのように説明が付くように思いました。

これがネイティブの感覚とのことですが、ネイティブの人でもこの「可能性」から来る不自然さのメカニズムに気が付いている人は少ないんじゃないかと思います。

だから今まで誰にも明確に答えてもらえなかったんだと思いますし、この解説があまり世に出回っていないのではないでしょうか。

ニックさんは、その他、完了形の使い方で有名な4つの用法に分けられないものも説明されています。

詳しい解説は彼の動画を見ていただけたらと思いますが、ぼくにとってはとても斬新な考え方の糸口で、多くのシチュエーションでの表現の暗雲がこれで少しずつ晴れていくようになりました。

しつこいようですが、自然体でケバケバしくなく、無理に興味を惹こうとしていないアイキャッチ画像だと思いませんか?

ぼくの文章の方が無理に誘導してるようですかね?

いずれにせよ、ぼくはこういう動画は好きで、ニックさんの動画、楽しんでます。

I'm lovin' it!(たぶん今の感覚はこれであってると思います)

この表現についての動画もいいですよ~。

これもうまく自分に落とし込めるようになったら、また紹介したいと思います。

ニック式英会話(1)最近お気に入りのYou Tuber英語講師

中学生になって勉強を始めて、アメリカにも滞在して曲がりなりにもコミュニケーションが取れるようになり、ありがたいことに今では仕事をもらえるようになった英語。

今は、海外で生活をするぐらいの英語には困っていません。

しかし日本語と同等に英語を運用できるかというと、そうは言えません。

時制や冠詞に関して、聞いたり読んだりするぶんには問題ありませんが、正確に話したり書いたりする際に完璧に操れるかというとやはり日本語との差は出てきます。

ぼくが「てにをは」の間違いを感覚的に指摘できるぐらいの感度で、英語の時制や冠詞の使い方が正しいかどうかの微妙な感覚を得ることはできないということです。

世間ではというと、日本には英語ができずに、英会話ができたらいいなと思っている人が多く、そういう人向けの教材がゴロゴロしていますよね。

ぼく自身そういう教材は必要としませんが、英語関連のページには興味があるからググったりするんで、グーグルさんやFacebookさんが勝手に「興味あるでしょ?」と言わんばかりに広告やおすすめ動画を挟み込んだり表示してくるんですよね。

広告の最初の数秒は相手にせざるを得ず見るのですが、多くはやっぱり胡散臭いとか、「はい、はいあれね」という触れ込みのはすぐにスキップします。

ただ、先程の「時制」や「冠詞」などについての解説動画は気になります。

とても興味深いYouTuberや講師の人で、波長が合いそうな人もいて、何人かはチャンネル登録しています。

その中で最近はまっているYouTuber(と呼んでいいのかな?)の英語講師の方がいて、ぜひスポットライトを当ててみたいと思いました。

それがニックさんというオーストラリア人の方です。

英語講師の見極め

上でも書きましたが、一応ぼくは英語は生活には困らない読み書き会話ができます。

しかし、やはり完璧とは堂々と言えないんですね。

聴き取りの面で言うと、ディズニー映画のようなはっきりした英語を話しているものは大方聴き取れますが、ちょっとやんちゃな登場人物や効果音の多い映画は字幕なしでは、聞き取れないところが多いです。

そして文法的な面で言うと時制と冠詞は基本的なことは分かっていますが、正式な文法や例外、間違っているが実世界では許容されて使用されている方法(俗に言う生きた英語)などは、やはりネイティブの方に確認を取らないと自信がないところがまだまだあると感じます。

だから英語レッスンを提供している動画をたまに見るんですが、気の惹き方が見え見え(そのつもりなくても)の人はすぐ離脱してしまうんです。

ホント、切り口や、プレゼンテーションって大切ですよね。

それぞれのリスナーさんに、合う合わないの講師がいると思うので、何とも言えませんが、このニックさんに「拒絶反応」を起こす人は少ないじゃないかと思います。

ニッチなニック

ニックさんがトピックとして選んでいることの多くは、もちろん英語学習ではよく話題にされることなので、はじめは気に留めなかったものが多いのですが、試しに見てみるとその解説は結構深いところにまで言及し、実際、感覚で理解したつもりになっていることとか、ナアナアになってちょっと不安定な理解をしていたこととかにまで触れているものがあるんですね。(ぼくだけかも知れませんが…)

そういう意味でニックさんが対象としているのは主に英語初心者だと思いますが、そうでない人でもためになることが、あちらこちらに散りばめられていると感じます。

言語の知識は、ある程度システマティックに習うと思いますが、教科書の違いだけでなく、出版社や筆者が複数あればそれぞれの単元の分類の仕方や深さも異なります。

それらの違いのニッチなところもうまく突いているんだろうなあと感じているのです。

何となくわかってもらえますかね。

という訳で、次回の記事から、ぼくにとって、勉強し飽きたというか、勉強しても感覚を得るまでわからないであろう永遠のテーマだと感じていたことに新たな風を送り込んでくれた(日本語合ってる?)ニックさんの動画をいくつか紹介したいと思います。