雑食思想の溜め池

生活していれば自然と湧き出て来る思いの数々。ここは、ぼくの中でゲシュタルト形成や拡張へ向けて流れ着いた、様々な興味の源泉からの思想が集う場所である・・・。と意気込んで始めたものの、だんだんとその色が薄くなってきました。

ニック式英会話(3)ウェゴナ、プラリって横着しすぎじゃありません?

この英語聞き取れるかな

前回に引き続き、さらに今気に入って全て見てしまったのが、

「この英語聞き取れるかな」

シリーズです。

前にも書きましたが、ネイティブの英語は自分が会話の当事者でその場面にいるならば、訊き返すなりで会話が進められるし、状況把握は可能なので会話ができますが、映画やドラマはどんどん勝手に進んで行ってしまいます。

大筋は分かっても、「最後、何でああなったんだろう」とか、ちょっとしたことが聞き取れなかったところからどんどん傷口が開いていってしまい、わからなくなってしまうこともありませんか。

ニックさんはその聴き取りの訓練動画も挙げてくれているんですね。

7つのポイントと映画からのワンシーン

そして、ぼくが好きなところは、そのプレゼンの仕方です。

まずは大枠を見せてくれて、そこから一つ一つに切り込んで行って、最後に横展開するところ。

英語聞き取りバイブル!英語が聞き取れる7つのポイントを映画で確認! - YouTube

一つひとつの説明では、実際にそのポイントとなる発音をご自身でされたり、映画やドラマのシーンをたくさん見せてくれていたり、インタビュー動画から抜き出してくれており、いろいろな人のしゃべり方をカバーし、それでも共通項があることをしっかり見せてくれています。

さらにその動画をスロー再生させてくれて、「実際に言っているけど、聞こえない」のか「実際に言ってない」かを検証してくれているところも好きです。

つまり自分の耳が聞き取れてないのか、やっぱり言ってないのかを知ると、実際に自分が速くしゃべったとき発音してなくてもよく、むしろ自然なんだと思えるようになったことです。

ニックさんはネイティブ英語の聞き取りのコツとして7つのポイントを挙げているのですが、それらの一つ一つは正直言ってぼくは知っていたり、感じ取っていたものがほとんどでした。

ですので、他の先生がそれらを紹介している動画などをかじり見したことありますが、枝葉を紹介しているだけで「ああ、それね」で終わっていたんです。

ニックさんの動画では、まず目次のような大枠を見せてくれました。

そのとき、ぼくは1つのポイントをチョイ見しましたが、それがゆえに全部を見てみたい気持ちになりました。

洞窟の深がまた続いていることを知ってしまったかのように、さらに深入りし、その先に自分の欠点の要所を知ったように感じました。

ぼくはギターでの弾き語りをやっていたとき、Air Supplyのようにはっきりとした発音の歌だけでなく、Billy Joelのちょっとだらしない脱力したような歌や早口の歌も好きでよくマネして歌ってました。

歌は音符に言葉を載せた符割りが大切なので、リズムよく正しく言えるようにならないとどうしても嘘っぽく聞こえちゃうんですよね。

だから、とにかく音をまねるということをしていたら、ニックさんのいう「寸止め」とか「連結」や「脱落」という現象は自然に自分にも起こり、おそらくそれゆえ聴き取りも、それらの点については比較的強くなったのだと思いました。

しかしですよ。

やっぱり聴き取れないことが多いんですよね。

その元凶についてちょっとお話します。

ぼくの好きなTVドラマLostから!

まずはこれ聴いてみてください。

シリーズの最初の方はご自身で発音したもので説明されていましたが、この回からドラマや映画のシーンも使っています。

youtu.be

where=we’re=wear 

上の見出しの等式は成り立つと思いますか?

両端のwhere=wearはいいとして、we'reって同じですか?

同じらしいです。

恥ずかしながら、これは知らなかったです。

これらのフレーズの曲者はwe'reで、ぼくはこれは「ウィアー」だと思ってました。

ところが、これらの単語を高速で言うとすべて「ウェ」となるんだそうです。

便宜上カタカナで書いてますが、つまり一音節です。

これに関して、ぼくは、I am(アイアム)がI'm(アイム)になったり、It is(イットイズ)がIt's(イッツ)になるのとは違って、We are(ウィアー)はWe’reとなっても結局(ウィアー)となって、発音は同じで、表記上の省略でしかないと思っていたんです。

速く言うにしても、「アー」は発音されるから2音節(?)で発音していたんです。

ところが、「ウェ」ですよ。

そんな認識したことはないんでビックリでした。

実生活でもWe’reは絶対に使っているわけだし、ネイティブが言っているのも聞いているはずなんですがねえ…

実生活の英語では、もちろん"We're"とだけ聞くことはまずなく、続きがあるもっと長い文章の一部として聞いているから、その部分だけはっきり認識していなくても意思疎通にそれほど影響はなかったということが言い訳になりますが、そういうことだから気が付かなかったんだと思っています?

では、もっとWe'reを聞いてみましょう。

英語 リスニング 英語 発音:この英語、聞き取れますか?#25(Glee)"2唐辛子編" - YouTube

では歌っていた時はどう対処していたのか…

We'reが速く発音されるところは結構いい加減にサッと通り過ぎることが多いとおもうんですよね。

そしてBecauseが、”Be”を口の動きだけで言ってるつもりのようになって、実際には'Cause(カーズ)と発音することがあるように、We'reの”'re”の部分を発音しなかったんじゃないかと思うんですね。

ということはWeだけを発音していたことになるんで、「ウィ」とだけ発音していたと思うんです。だからもしかしたら不自然に聞こえたかもしれません。

まさかの現象

ところが、"We're"が「ウェ」だと知った後、不思議なことが起きました。

そうと知ったらダラケているような喋り方だけど、そう発音するようにしてみましょうかー

と自分に言い聞かせて、とにかく言ってみようと思いました。

しかし!?

ウィ…?

ウィェ…?

何で?

言えない…。

これは不思議でした。

もちろん「ウェ」だけなら言えますよ。

でも、その後にWe're gonna...とある程度のスピード感を持って続けようとするときはどうしても「ウィア」となってしまう。

音符に載せるとすると、どうしても1.5拍になってしまう(裏拍がある)感覚です。

"Where we’re going to..."となったら「ウェウェ…」と同じ音を二回繰り返すだけなのに、どうしても違うように発音しようとしてしまうんです。

もちろんゆっくり言うなら言えますが、それでは意図が違います。

普段耳で聞こえたものはスペルに気を取られることなく発音できて来たのに、なぜかこのフレーズはもう口が動かない。

日本人で英語の発音が苦手な人は、どうしてもカタカナ読みになってしまうことが多いところ、自分にはない症状だったのですが、それが今回初めて発症したんです。

頭では分かっているけど、実際はまだWe'reが「ウェ」であると信じ切れてない(そう聞こえていない)から、口が動かない。

たぶんそういうことだと思います。

1つにはもう何十年もいい慣れたフレーズというのと、今までスピードの差はあるにせよWeとareの2音節で発音していたものを一音節で言わなければいけないという違いゆえに、それだけで完全に拘束されているのです。

これはほんとに不思議な感覚です。

there=they're=their

この等式も正しいようで、"thエ"と言うそうです。

高速で言うと、もう「アー」の部分はどっかへ行ってしまうようです。

聞こえないのではなく、実際に言っていないとのことです。

それでこれらの聞き取りを難しくしているのが、これらは文の最初の方に来ますよね。

文章は先頭にあまり大切な情報が含まれていない場合、早口でフェイドインするように発音されるんですよ。

だから聞こえない文章の聴き取りをするとき、ぼくは拍数とかで、あと何音言えるはず…とか考えて、そこから単語を割り出そうとしてたんですが、上手くいかなかったのはそういうことだったのかもしれません。

プラリ⇒プラブリ⇒プラバブリ…なるほど

最後にProbablyがプラリまで省略されるって知ってました?

ぼくは初耳でした。

youtu.be

おそらくプラブリまでならおそらく想像で理解できるでしょうが、そんな発音してる人がいたら、何て舌っ足らずな人なんだと思ってしまうでしょうね。

この映画の話者のように、憔悴したような人じゃないとこんなふうにしゃべらないんじゃないかと思うけど、この喋りがOKシーンなわけで、ネイティブには分かるんですよね。

ネイティブじゃなければプラリはさすがに同じ単語だとは認識できないでしょう。

おそらく今まで聞いてたのかもしれないけど完璧に、スルーしていたとしか思えません。

因みにこのシリーズは70本近くあって、すべて見ましたが、プラリ以外の部分を含めこの動画がぼくには一番難しかったです。

一通り全部視聴したとはいえ、再度聴いてもわからないところがあるんで、これはまた繰り返し視聴して練習したいですね。

We'reやthere'reのサウンドは独特性も小さいから、慣れるのに相当時間がかかりそうな気がしてます。

まとめ

そんなわけで、ショックの連発だったこれらの動画ですが、これだけの映画からこれだけ抜き出して編集して相当な手間だったと思いますし、これからも作成してくれるならさらなる労力に感謝しかないです。

やっぱり、「こういう言い方をするんだ」と講師の人がネイティブで見本を見せてくれるだけなのと、OK(テイク)が出ているいろいろな人のしゃべりを見せてもらえるのでは説得力が全然違いますよね。

これからも楽しみにしています。