雑食思想の溜め池

生活していれば自然と湧き出て来る思いの数々。ここは、ぼくの中でゲシュタルト形成や拡張へ向けて流れ着いた、様々な興味の源泉からの思想が集う場所である・・・。と意気込んで始めたものの、だんだんとその色が薄くなってきました。

じゃがバター醤油~飛魚そば at うまいもん市

数年前の5月の連休の後、それはそれはすでに夏のような暑い日、万博公園で「うまいもん市」という催しものがありました。知り合いに千円分の食べ物券付入場券をもらったので行ってみました。
こ の「うまいもん市」はパン屋やらコロッケ屋やらスイーツ屋やらレストランなどのお店が露店のように店を出している豊中市の物産展みたいなもので、100m x 100mほどの駐車場に150ぐらいのブースが出店されていました。「豊中」と銘打っている割には、北海道の十勝からの出店もありました。
要するにB級グルメの催し物のように、露店が並んでいるわけですから、そこ到着するやいなや、何を食べようか?って話になるわけです。ただやたらめったら買うわけにはいきません。千円分しかないチケットだからって、ケチっているわけではないですよ。足りなけれ ば現金で補充すればいいだけです。そんなにいっぱい食べられないということです。150軒ほどある店からせいぜい数店舗しか選べないだろうから慎重にとい うことです。
うまいもん市の露店マップで、ある「スペシャルなトリ肉」のから揚げ(どのようにスペシャルだったかは忘れました)に目を付け直行。特にスペシャルさは感じなかったものの、まずまずのお味。それを平らげると、次に目についたのが「じゃがバター醤油」でした。この暑い日に食べるものとして相応しいか?とはその時は特に考えませんでした。ただ・・・うん、おいしそう。
そこでそのブースはどこにあるか…とマップ上で探すと、見つかりました、一番遠い端っこです。5月と言えど、かなりの日差し。アスファルトに照り返される炎天下の中ずいぶんと遠くまで歩かなくてはいけないけど、その名前に期待を膨らませて、マップを頼りに歩いていきました。いくつかの誘惑を押しのけながら、滲み出る汗を拭きながら目的地を目指します。
もうそろそろ見えてくるはず…。あった!若干遠目に屋台の上の看板にその名前が書かれているのが見えました。しかし…ん?もう閉店か?
というのも、ブースには調味料のようなものがずらりと並べられたカウンターと、店員と思しき人が数名のみ。まだ開店して2時間ほど。売り切れるにしては在庫が少なすぎでしょって話ですが、それに加え、どうやってイモを焼いてんだ?と思わせるたたずまい。イモを焼く器具どころか「店」の雰囲気すらしないのです。これでは単なるインフォメーションブースというぐらいの素っ気ない装いです。
そんなことを考えているうちにも確実にブースに近づいていきます。同時にカウンターにずらりと並んだ調味料が少しずつズームアップされてきました。もしや!まさか!そんな!あほな!あ…そういうこと…ですか。ハア…。
確かに間違えてませんよ…。あなた達は正しい…。早とちりしたのはこっちのせいです…。ブツブツ…。いくつもの誘惑を乗り越えて、せっかくここまで歩いてきたのに。ブツブツ…。売ってるのは「醤油」かい!じゃがバター用の醤油…。そんなん、今食べられないじゃない・・・。ブツブツ‥・。レストランブースに並べて置くなよ…ブツブツ。最近、卵かけご飯用醤油とか、専用醤油が増えてきたな。ブツブツ‥・。
そこまで、勢いよく歩いてきたその惰性のままに、近づきながらも既にUターンをしかけながらその何とも言えないもどかしさを挽回してくれる他のおいしそうなお手ごろなものはないものかと周りを見渡しました。
150近くもあるブースでも種類分けすると、結構少ないんですよね。
焼肉系、パン系、スイーツ系、物産系。
そこでこの暑い日にはそばがいいかと思ったら、そば系はたった一軒(焼きそばは除く)。「飛魚そば」が目につきました。酷い行列です。めったに聞かないこのおそば。ステージ上のパフォーマンスの合間に、ちょうど司会者のお店の紹介が聞こえてきました。
「みなさん!おなか一杯食べてますかー。暑いですね!ぼくはさっき『トビウオそば』を食べましたけど、おいしかったです。すごい行列ですね…」とそんな贔屓な 宣伝をしていいのかと思いましたが、お店の人は、「どうせ贔屓で宣伝してくれるなら正確に宣伝してよ」とでも思っているか、はたまた、理解さえできれば多少情報が間違っていたとしても別に客足に影響はないと考えるか、さてどちらなんでしょうかね?トビウオって読むのが確かにフツウです。
おそらく飛魚そばの人も、接客に忙しくて彼らは聞こえていないというのが現状でしょう。まさか店の人はそれが『アゴそば』ということを知らないで売っていることはないでしょうね。
それよりも、今思うと、ぼくは「そば」というと冷たいものをまず連想してしまうのですが、あの時のそばはどちらだったのだろうか。暑い日にあれだけの行列だったからってのもあって「つけ麺」的な冷たいものを勝手に想像してしまっていましたが、行列に参加し、出てきたのが熱かったらそれはまたショック だったに違いありません。(後で調べたところ熱そうな「ラーメン」でした。めでたしめでたし。)
結局は十勝産の野菜をふんだんに使ったピザにしました。ちゃんと釜戸をセッティングして暑い中ご苦労様です。肉系が乗っていないのでどうかなと思いましたが、トウモロコシや玉ねぎなど野菜そのものの味がはっきり残っていておいしかったです。