雑食思想の溜め池

生活していれば自然と湧き出て来る思いの数々。ここは、ぼくの中でゲシュタルト形成や拡張へ向けて流れ着いた、様々な興味の源泉からの思想が集う場所である・・・。と意気込んで始めたものの、だんだんとその色が薄くなってきました。

Stuff to Blow Your Mind-invention:棺桶、ヒツギ、棺、柩、生き埋め恐怖症、死体盗掘人

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Stuff to blow your mind-inventionのプログラムから今回はCasket(棺)についてのエピソードを紹介したいと思います。

Invention: Casket-a-go-go, Part 1

https://player.fm/series/invention/casket-a-go-go-part-1
今回のテーマは「棺桶」です。なかなか面白いことをテーマにしますよね。このエピソードが掲載されたのがハロウィーンの時期なので、それに関連したことをテーマに掘り下げているようですが、そんなに掘り下げることがあるのかと思ってしまうことを興味深い角度から掘り下げて実際に面白いんですね。さすがです。

そんな棺桶についてさらにPart 1からPart 3の3つのエピソードに分けて配信されてます。

では紹介に入る前に、まず日本語で「棺桶」の類義語ってありますかね。「ひつぎ」ぐらいですか。でも「ひつぎ」にも「棺」と「柩」があるようです。それらの違いは?

  • 棺桶=棺
  • 棺+遺体=柩

という説があるようです。あくまでも説らしいですが、こういう区別をするんですね。この記事を書くまでは知らなかったです。

ということで、今回のエピソードです。この回は、棺桶に入れられた自分がまだ生きているもしくは生き返るかもしれないという状況に陥った場合、その危機を脱するための「発明」についてです。

棺桶に相当する英単語としてcasketとcoffinがありますが、それらの違いが何であるか?今回のポッドキャストはそこからスタートしています。

どうやらそれは形だそうです。casketは直方体の遺体を安置する入れ物で、日本でもなじみのあるあの形のもの。そしてcoffinは棺桶をシンボル化したような形のもの。そうドラキュラの寝床のような肩の部分が広い6角形の「ザ・棺桶」というあの棺を指すようです。これも知らなかったです。

そこから、話は西洋文化圏の人は結構生き埋めにされることを恐れているという方向へ展開します。彼らは日本と違って土葬します。そしてどうやら歴史的に人が完全に死亡していないのに早まって?もしくは誤って?埋めてしまった!という事例がかなりあるようなのです。土の中で息を吹き返して「出してくれー!」と叫んで実際に救われた人がいるようなのです。中には埋葬された女性が生き返り地中で助けを叫んで、運よくその墓地で遊んでいた子供がそれに気づいて掘り起こされたが掘り起こされたときには時すでに遅し。再び地中に戻したがまた息を吹き返して地中から叫び声が聞こえて掘り起こしたけれど今度は本当に死んでしまったという2回生き埋めにされたという冗談のような事例もあるとのこと。そういう話を恐れるがゆえに、「土葬するときは死亡したことを確認してから埋めてくれ」と言い残す人が多いとか。つまり死亡を宣告されても数日は置いて様子を見ろということらしいです。さらにあのクラシック音楽かのショパンは妹に自分が死んだら心臓を取り出してくれと言い残して死んだそうです。そしてこんなジョークも紹介されています。

狩猟に出かけた二人のうちの一人が、卒倒してしまった。呼吸はしていないし目はどんよりしている。その様子から死んでるように思われた。残りの一人がレスキューに電話し、どうしたらいいか尋ねるとオペレーターが言うには、まずは落ち着いて「死亡を確認してください」と言う。しばらくの沈黙の後銃声が聞こえた。そして電話口に戻った彼は言った「OK。次は何すればいい?」。

これはジョークですが、ショパンにしても確実に死亡していないのに誤って「殺される」よりも、手荒な方法でも確実に死亡していることを確認して欲しいということが強く望まれていたことの表れのようです。

そこで、話は生き埋め防止装置の発明へと移ります。いろいろな工夫があるようで、土葬された人が息を吹き返したとき、地上の人に生きていることをベルで知らせる装置や、脱出できるようにされた棺や酸素を送る工夫など、西洋人の生き埋め恐怖の大きさを物語っているように思いますね。

日本ではあまり考えられない恐怖ですね。日本だったら火葬されますから、お墓に到着したときは骨になっています。でもよく考えると、誤って死亡を宣告されて、火葬されている最中に息を吹き返したら、それも恐怖じゃないですか?生きたまま火あぶりですよ。日本ではそういう事例はないのでしょうか。そこに怯える人は聞いたことありませんが。

そんな風に生き埋めにされることに対する恐怖症に名称があってtaphophobiaと言うらしいです。「生き埋め恐怖症」ですね。ホストのお二人もご存じなかったぐらいレアな単語なんですね。使用頻度は低いでしょうが雑学の一つに覚えておきます。いやあ勉強になりますね。覚えてられるかな?

その他今回学んだ単語を忘備録的にちょっと記録しておきます。

  • embolm:  香料を詰めて防腐保存する、ミイラにする
  • exhume: 〔埋葬した死体を検視のために〕掘り出す、掘り起こす〔忘れ去られた物事を〕明るみに出す、暴露する
  • false negative:  偽陰性(「正」のものを「誤」と判断してしまうこと)
  • false positive: 偽陽性(「誤」のものを「正」と判断してしまうこと)

Invention: Casket-a-go-go, Part 2

https://player.fm/series/invention/casket-a-go-go-part-2

この回では、Part 1とは逆に、確実に死んで埋められた遺体が掘り起こされないようにする「発明」です。何のこと?日本ではあまりそういう展開にならないと思うので不思議ですが、西洋の世界では遺体ドロボーがいるようです。resurrectionistという特にイギリスには死体盗掘人がいたようです。ウィキペディアにも説明が載っていますが、医学的な研究として解剖する遺体の供給が少なかった時に、解剖学者に雇われたそういう人たちがお墓へ行ってできるだけ「新鮮」な遺体を掘り起こすということが度々起こっていたのです。

死体盗掘人が普通の盗掘者と違うところは、盗む対象が遺体のみ。服を着ていたら丁寧に脱がしたり、高価な装飾品があってもちゃんとそれらは置いておくというのですから面白いですね。別々のルートで売り払おうとしなかったのでしょうか。どうやら法的には死体は誰の財産でもないという法律があったためのようです。それで、棺桶の上に石を置いたり、檻で囲ったり、見張りを付けたりという工夫をしたらしいです。

そして会話は、遺体を朽ちらせないようにする棺の「発明」へと展開します。長期移動できる棺桶をAlmond Dunbar Fiskという人がエジプトのファラオのミイラの棺桶のようなものを発明して販売していたという面白い話です。

Invention: Casket-a-go-go, Part 2

https://player.fm/series/invention/casket-a-go-go-part-3

 

そして最終回、ここではPart 1やPart 2のように「女々しい」棺桶の発明ではなく、ついに攻撃的な棺桶を作ったぞ!という話になってきます。つまりは盗掘しようとする人から防御するのではなく、盗掘しようとする人をやっつけちゃえという考えから出た棺桶です。しかしここまで来るともはや棺桶というか、棺桶の周辺システムというかんじですね。映画マミーとかアラジンとかそんなことはできないにせよ、クロスボーやショットガンの罠を仕掛けておいて、一定ラインを超えると矢や銃弾が飛び出してくるというものです。凄いのは「魚雷」がセッティングされていたというものもあったようです。つまり地雷に近いものらしいですが。でもそれじゃ、間違えて殺される人も出て来るではないかという話や、盗掘者として雇った人をわざとそういう仕掛けに引っ掛けて死なせ、その死体も供給してしまえという話をしてて、話はどこまでも展開しそうです。

まとめ

日本の文化では考えにくい事例の数々ですので、非常に興味深い話題がたくさんあります。第2話目で紹介されていますが、アフリカのある国では芸術的な棺桶が使われていて、その故人を象徴する形(靴や船、建物や動物等)の棺を作って陽気にあの世に送る文化など、初めは棺桶でこんなに話が展開するものなのかと思いましたが、まだまだ展開できそうですね。