雑食思想の溜め池

生活していれば自然と湧き出て来る思いの数々。ここは、ぼくの中でゲシュタルト形成や拡張へ向けて流れ着いた、様々な興味の源泉からの思想が集う場所である・・・。と意気込んで始めたものの、だんだんとその色が薄くなってきました。

服部平治に物申す~灰色の脳ミソ~

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今、アマゾンのプレミアムで名探偵コナンのテレビアニメがシーズン10まで見れます。30分ものなので、ちょっとしたときに見るのにちょうどよくたまに見ていますが、あるエピソードで「え?」と思うところがあったのでちょっと説明してみたいと思います。

超有名アニメなので特に説明は必要じゃないかもしれませんが、東の高校生探偵(工藤新一)に対して、西の高校生探偵として登場する服部平治がいますよね。

彼がある事件解決後に、その犯人が「アガサクリスティーの「ABC殺人事件」を読んで思いついた犯行だと思うが、最後に笑うのはポワロの方だということを忘れている」という風に言及するところで次の言葉を発します。

「あの灰色の脳ミソを持ったおっちゃん(エルキュール・ポワロのこと)」

これを聞いた時、ぼくは以前所属していた(今も籍は置いていますが連続休会中…)英語の勉強会で頻出していたgrey matterという脳みそを表す語句のことが脳裏を過りました。

だから、灰色の脳ミソって普通じゃね?と思ったと同時に、もしかして平治はどこか勘違いしてるんじゃないかと思ったのです。服部平治のこの表現からすると、「普通の人は灰色の脳ミソを持っていない、頭脳明晰なポワロだから脳が灰色だ」と言っているように感じたからです。

そこでちょっと調べてみた内容を簡単に書いてみます。

grey (gray) matterは日本語で灰白質。大脳や小脳では表層部を占める。これに対してwhite matterと呼ばれる白質という部位が脳の深層部にある(脊髄では表層部と深層部が逆)。

ぼくはgrey matterというのはmatterという単語が「物質」とか「物事」を意味する単語であることから、単にbrainの俗語のようなものと思っていたが、どうやら普通の単語だったんですね。

ではなぜ服部平治がそんな発言をしたのかと思って調べてみると、ポワロが口癖でよくlittle gray cells(灰色の脳細胞)と言うようで、そこから来たと思われますね。まあ、いずれにせよ、一般人にも灰色の脳細胞はあるし、表層にあるので解剖すると灰色に見えるようなので、ドヤ顔でポワロを「灰色の脳ミソを持ったおっちゃん」と表現するのはあまりふさわしくないんじゃないかと思ったわけです。

ぼくはポワロのことはよく知りませんが、想像するにポワロは難事件に遭遇すると自分の「灰色(部分)の脳細胞が喜んでいますなあ」とでも言っているんじゃないかと思っています。