雑食思想の溜め池

生活していれば自然と湧き出て来る思いの数々。ここは、ぼくの中でゲシュタルト形成や拡張へ向けて流れ着いた、様々な興味の源泉からの思想が集う場所である・・・。と意気込んで始めたものの、だんだんとその色が薄くなってきました。

英文解釈の基礎は情報構造にあり(その1:難読英文は親切心の裏返し?)

いじわるな英文?

英文を読んでいて、「どうしてこうも難しい構造の文章を書くのか」と思ったことありませんか。ぼくの場合は、特に転倒文は最初そうとは知らずに読んでいて「なんか変だな」と感じて、誰かに解説をしてもらって、主語と目的語がひっくり返っている(転倒文になっている)ことに気が付いてやっと理解するという具合です。こういう文章は受験向けの文法書の中ではおまけ的に掲載されていて説明も「筆者のスタイル」だとか、「そういう文章もある」とかしっくりこない説明であることが多いと感じていました。

「文章を書く人は読む人に理解してもらいやすく書いてくれよ」と常々思っていました。英語は語順が大切。語順が意味を作るとか言われると思いますが、「それならなおさらSVOを順守してくれよ」と思ったもんです。こっちとしては最初にあるのが主語と半ば決めつけているわけです。

そんなことを感じながら受験を終え、社会人になり英語を仕事とする時になっても悶々とし続けていましたが、自分なりに英語の勉強を続けていてある英文の書き方ガイド本を読んだことで靄が晴れ始めたのでその話を少ししたいと思います。

その「ある本」から派生的にテーマを追って探していくうちに見つけた素晴らしい参考書のいくつかを追ってご紹介したいと思います。
そのある本はこれです。

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実は知らない英文法の真相75

難読英文は親切心の裏返し?

そういった疑問に対する答えは、「一つの文章としてはわかりにくいかもしれないが、パラグラフなど、塊として考えた場合、逆にその方がわかりやすいものになるから」と言えるのです。では、どういうものが「わかりやすい」というのか。

それは「話者」と「聞き手」、「筆者」と「読者」の間での情報の共有具合がスムースに行われている状態ですよね。例えば、筆者(情報発信者)が「犬」を思い浮かべて「それ」と言っているつもりなのに、読者(受信者)が「猫」を思い浮かべてしまうようでは、その「それ」という情報は共有されているとはいえませんね。この例はとても極端な例ですが、情報発信者が書いている内容を、受信者が吟味しなくても自然に思い浮かべることができる文章がわかりやすい文章だと言えるかと思います。

そしてそれを可能にしているのが転倒文で、なぜ語順を入れ替えるのかということに関する英語の暗黙のルールを知っていればそれが納得できるし、今までわかりにくい!と思っていた文章がわかりやすくなります。少なくともぼくはなりました。もちろん当初のわかりにくさは転倒文に限らないと思いますが、語順に関する疑問は解決すると思います。

そのルールが情報構造に従った考え方(書き方、話し方)なのです。

(つづく)